日帰り家族風呂を満喫するなら!知っておくべき混浴に関する条例。
銭湯や日帰り温泉施設では、各都道府県や市町村の条例により、男女の混浴に対して年齢制限が設けられています。
各条例の混浴年齢制限の年齢は様々です。
令和2年に厚生労働省による「子どもの発育発達と公衆浴場における混浴年齢に関する研究」の調査結果が公表されました。
それによると、子どもが混浴を恥ずかしがる年齢は、6歳または7歳だとされました。
この調査結果を受け、各自治体は、令和4年ごろまでに、相次いで、公衆浴場での混浴制限年齢を7歳以下にする改正を行っています。
家族風呂(貸切風呂)は、混浴制限年齢の規定に該当するのでしょうか?
結論からいうと、通常の家族風呂(貸切風呂)のご利用でしたら、該当しません。
安心して、家族風呂(貸切風呂)をご利用いただけます。
本記事では、公衆浴場における混浴の年齢制限と家族風呂(貸切風呂)について解説します。
★ 公衆浴場(銭湯や日帰り温泉施設)での混浴 ★
銭湯や日帰り温泉施設などの公衆浴場については、「公衆浴場法」という法律で定められています。
公衆浴場法では、銭湯や日帰り温泉施設を営業するには、事前に法令に基づく申請及び営業許可が必要です。
営業許可や各施設の設置基準、構造、運営などの細則については、各都道府県や市町村が決定することとなっています。
これを踏まえ、各自治体は、公衆浴場を規定する条例を定め、運用しています。
自治体によって、混浴制限年齢が異なっているのは、そのためです。
多くの自治体では、最近まで、混浴の年齢制限を「10歳以下」とするところ(100団体)が多く占めていましたが、調査結果公表後の令和4年11月以降は、「7歳以下」とするところ(東京都などの人口が多い自治体などを中心に79団体)が一番多くなっています。
ただし、従来通り、10歳以下とするところ(宮城県、札幌市など)、8歳以下(愛知県、熊本市など)、特に年齢制限を設けていない自治体(福島県、千葉県など)もあります。
★ 温泉旅館での混浴 ★
温泉旅館は、宿泊施設が主であり、それに入浴施設が付随している扱いとなっており、「旅館業法」という別の法律で規定され、運営されています。
旅館業法には、混浴禁止の規定がないため、年齢制限なく混浴可能です。
ただし、立ち寄り湯など日帰り客を受け入れる場合は、「公衆浴場法」の適用を受けますので、混浴の年齢制限があります。
★ 公衆浴場(日帰り温泉施設)での家族・夫婦利用はOK! ★
銭湯や日帰り温泉施設を営業するには、事前に法令に基づく申請及び営業許可が必要です。
申請及び許可は、その施設がある各自治体の保健所が行っています。
営業許可にあたっては、施設の運営方法、浴場の構造や家族風呂(貸切風呂)の設置などが含まれています。
したがって、家族風呂(貸切風呂)は、各保健所による許可を得ていますので、安心してご利用いただけます。
しかし、混浴に年齢制限があるのに、日帰り入浴施設などの家族風呂(貸切風呂)は、なぜ混浴可能なのでしょうか。
その理由は、平たくいうと、家族風呂(貸切風呂)の利用に対して、混浴年齢制限をする必要性がないからです。
家族風呂(貸切風呂)は、名前の通り、家族や近しいグループでの利用が前提となっています。
その一方で、混浴年齢制限の目的は、不特定多数の人が浴場を利用することにより、風紀が乱れるのを防止する目的があります。
通常、想定される家族風呂(貸切風呂)の利用については、親しい限られた人数の利用であり、風紀が乱れる恐れは少ないので、規制の対象外と考えられています。
多くの自治体は、日帰り入浴施設への家族風呂(貸切風呂)の設置を許可しています。
ただ、東京都(市区町村によって例外あり)などのように、混浴制限年齢が厳しい自治体では、家族風呂(貸切風呂)が設置されている日帰り温泉施設の数が少ない地域もあります。
地域によって、家族風呂(貸切風呂)の数に差がある理由の一つです。
昨今では、入浴に介助が必要な方、父子・母子家庭の方、LGBTの方などが増えており、混浴年齢制限があることで、日帰り入浴施設を利用しにくい方々もいます。
そうした方々や風紀が乱れる恐れが少ない利用について、積極的に家族風呂(貸切風呂)を活用する意味合いで家族風呂(貸切風呂)が設置されています。
混浴に対する年齢制限が厳しくなる一方で、家族風呂(貸切風呂)を必要とする方々は増えているのが、現状です。
不特定多数が利用する浴場では、法令により、混浴を規制し、それ以外で規制する必要がないものについては、許可する(規制しない)との明確な区分けをする流れとなっているようです。
★ まとめ ★
各自治体で、日帰り温泉施設などで混浴制限年齢を引き下げる条例の改正が相次いでいます。
日帰り温泉施設の関する法令は、少子高齢化、性に対する考え方の変化など社会の多様化に合わせた改正や運用がなされています。
こうした法令の趣旨を理解しつつ、家族風呂(貸切風呂)を適切に利用し、お風呂の楽しみを皆で分かち合っていきましょう。
最終更新日:2023/05/16